「文豪シリーズ」宮沢氏誕生日記念イラスト&キャラクタートーク
こんばんは、スタッフMです。
本日8月27日は、宮沢賢治氏の116回目のお誕生日です!
吉本ルイス先生から記念イラストを描いて頂きました!
宮沢さん&好物のスイカです!
さらに、書き下ろし特別キャラクタートークをお届けします!
太宰「宮沢さん、今日は君の誕生日だと聞いたのだけど……」
宮沢「うん、生まれた年から数えると116回目になるかな。いやあ、なんだか照れくさいねぇ」
太宰「心ばかりの品というか、君の肖像画を描いてみたんだ……気に入ってもらえるどうか」
宮沢「わあ、ありがとう! 太宰さんは絵が上手なんだねえ。ふむ……紫と黒と赤のコントラストが素敵だなあ。目も唇も、採れたてのトマトみたいに真っ赤だし、顔色はまるで僕の畑のナスみたいに深い紫色だ。僕はトマトもナスも大好きだから、嬉しいよ」
太宰「よかった……喜んでもらえて。よく、人にあげても『暗い』とか『嫌がらせか』とか言われるんだ……」
宮沢「こんなに素敵な絵なのになあ。僕のコレクションに加えさせてもらうね」
太宰「宮沢さんは絵を集めるのが趣味なのか。そういえば、生前はその……けっこう過激な絵を集めていたそうだね」
宮沢「ああ、春画のこと?」
太宰「躊躇いなく言い切ったな……」
宮沢「春画は芸術作品だよ、隠したりする必要はないじゃない。みんなにこの素晴らしさを知ってほしいから、僕は学校の同僚にも見せていたよ」
太宰「そ、そうなのか……なんというか、君は女性と付き合った経験がなかったと聞いていたから、そういうことには疎いのかと……」
宮沢「いやだなあ。男女の性愛については一応本を読んで勉強していたんだよ。外国の本でね、『性学体系』っていう……」
太宰「詳しく説明してくれなくていい」
宮沢「そう? とにかく、山で自然と戯れていれば女性とお付き合いする必要も特に感じなかったんだよ。一度、結婚したいと思った女性がいたんだけど、父に反対されちゃったし……」
太宰「君のご実家は由緒ある商家だからな、簡単に結婚の許しが出ないのも仕方ないさ。そういえば、今夜はご実家で豪勢にお祝いでもするのか?」
宮沢「うーん……僕は豪華なお祝いやご馳走には興味がないんだ。自分で苦労して育てた野菜を、収穫してすぐに食べるのほど美味しいものはないし。農民のみんなと、どうすれば作物がよく育つのか考えたり、自然の声を聴いて詩を作っている方が、よっぽど充実しているよ」
太宰「ふうん……君は本当に農民が好きなんだな。そういえば、君は農学校を出ているんだったね」
宮沢「うん、僕の故郷は冬になると寒さがとでも厳しくて、不作の年が続くと飢饉になってしまうこともあったんだ……。だから、みんなが飢えなくてよくなるように、過酷な土地でも作物を育てるための研究がしたかったんだ」
太宰「でも、ご実家は大きな古着商だろう。家業を継ぐように言われなかったのか」
宮沢「父には、中学校を出たらすぐに家業を手伝うように言われていたよ。でも、どうしても農業を学びたくて、両親に許しをもらって高等農林学校へ進学したんだ。同人誌を出したのもこの頃だったなあ。学校を出てからは教師をしたり、砕石工場で技師をやったりもしていたんだよ、農業の研究や詩を書くのも続けながら」
太宰「(ボソッと)普通に会社勤めをやっていた頃があったのか……ずっと実家引きこもりで親のスネをかじっていたのかと……」
宮沢「え? 今、何て?」
太宰「い、いや、何でもない。……それにしても、そんな田舎で土にまみれて生活をしていては、これといった娯楽もなかったんじゃないのか」
宮沢「そんなことはないよ、山へ鉱石を拾いに行ったり、絵画を集めたり、楽しみはたくさんあったよ。クラシック音楽のレコード収集にもはまったなぁ。近所の楽器店に頻繁に買いに行っていたら、そのお店の売り上げがとてもよくなってしまったらしくて、海外のレコード会社から表彰されたって聞いたことがあるよ」
太宰「君は、ハマると徹底的にやるタイプなんだな……」
宮沢「うん、そうかもしれないね。素晴らしい音楽を最高の音色で聴きたいと思って、蓄音機の針を自作したりもしたよ。僕らの時代は、欲しいものは自分で作らなければならなかったけれど、現代はいろんなものを簡単に手に入れられるようになったよね。僕は田舎に住んでいるから、ネット通販はすごく重宝しているよ。気になるゲームやグッズがあったら、すぐに注文できるし。お店に並ぶのも嫌じゃないんだけどね」
太宰「ゲーム……? ああ、そういえば、宮沢さんは最近、平成地区の“オタク”文化とやらに熱中しているんだっけ?」
宮沢「いやあ、平成地区のアキバ文化には収集意欲を掻き立てられるんだよねえ。同人誌もフィギュアもゲームも。初回限定とか数量限定とか店舗別特典とか言われたら、全部揃えたくなっちゃうよねえ。その上で隠しキャラも含めた全ヒロインのルートで全エンディングを見るまではクリアしたとは言えないし、スチル全種類集めるのにも骨が折れるけどそこがやり込む楽しさだよね。それに、なかなか理解してもらえないのが残念なんだけど、美少女ゲームには芸術的な物語性を備えたものがたくさんあるんだよ。ブランドによってイラストも違えばストーリーも違うからいろんな作品をやってみたくなるし、とても一口には言い尽くせない奥深い世界なんだよ」
太宰「(混乱)す、すまないがもう一回、もっとわかりやすく説明してくれないか……」
宮沢「美少女ゲームは芸術、ってことかな」
太宰「そ、そうか……」
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数多くの作品を生み出し、たくさんの人に愛されている宮沢さんも、やはり面白いエピソードには事欠きません!
ドラマCDではそんなエピソードを元に、新しい宮沢賢治像をお届けしますので、どうぞお楽しみに!
宮沢賢治さん、お誕生日、おめでとうございます~!