「文豪シリーズ」夏目漱石氏誕生日記念イラスト&キャラクタートーク
こんにちは、スタッフMです。
本日2月9日は、夏目漱石氏の146回目のお誕生日です!
吉本ルイス先生に記念イラストを描いて頂きました☆
吉本先生、ありがとうございます!!
さらに、書き下ろし特別キャラクタートークをお届けします!
夏目家―――
芥川「夏目先生、今日はお時間を頂きましてありがとうございます! そしてお誕生日おめでとうございます!」
夏目「ああ、ありがとう芥川くん。まあ、いまさら目出度いも何もないがね」
芥川「今日は他のお弟子さんたちは……?」
夏目「君の原稿をみるから、今日は決して邪魔をするなと言ってあるよ。誕生日だから祝いの品を持っていきたいなどと散々ごねられたが」
芥川「(小声で)それを見越して先生に原稿を見て頂くお約束を半年前からとりつけておいて本当によかった……!こうでもしなくては、絶対に先生の取り合いになるからな……」
夏目「? 何か言ったかね?」
芥川「い、いえ、何でもありません!」
夏目「まあそもそも、私の家へ来ていいのは木曜日だけだと常日頃から言っている。毎日押しかけられては、原稿がいっこうに進まん!」
芥川「夏目先生はお厳しいですが、面倒見がよくていらっしゃるから、自然と人が集まってきてしまうんですよ」
夏目「だといいがな。教師をやっていた性なのかもしれんが」
芥川「母校の帝大や、熊本でも英語を教えてらっしゃいましたもんね。熊本は、先生が呼ばれたとのことで今も“森の都”と称されることがあるようですよ」
夏目「まあ、それだけのどかな所だったということだ。ここでは俳句作りに精を出したもんだ……」
芥川「ご友人の正岡子規さんの影響でしょうか」
夏目「元から俳句はやっていたのだが、本格的に始めたのは確かに正岡と出会ってからかもしれんな。やつとは大学予備門からの付き合いになるが、当時は英語のあだ名をつけるのが流行っていてな。冷笑家の正岡は『The Cool』、私のあだ名は『The Eye』だった」
芥川「先生の眼は人を惹きつけますね。先生に悪意を持って取材にきた記者も、先生の眼にはひきこまれるようだと書いていたみたいですし」
夏目「……このあばた面を褒めたって何も出やせんぞ……」
芥川「先生はどうして、そうもご自身の外見を貶められるのですか!」
夏目「当時にしちゃあ妙に彫が深いしあばたはあるし背は低いのに頭はでかいし……ロンドンに留学している間なんて、女だって俺より大きくて、俺はまるで子供扱いだった……ぶつぶつ……」
芥川「ああっ、そんな気落ちなさらないでください!」
夏目「国の指令で留学したというのに、学校探しは自分でしなければならんし……金はかかるし……家に引きこもって書物を読んでいたら、しまいには私が発狂したなどと、日本の新聞には書かれるしで……」
芥川「あの、あれは皆先生を心配してのことだったんだと思いますから……ロンドン留学でいい思い出はなかったんですか?」
夏目「まあ、面白い書物を手に入れることはできたな。食い物がまずかったから、食費を削れるだけ削って本が買えた」
芥川「先生は洋食もお好きのはずでしたけど、ロンドンの食べ物はお口に合わなかったのですね」
夏目「こってりした食いものは好きだがね。あの頃は、うなぎや蕎麦が恋しかった……しかし日本に戻って食い過ぎればまた、妻には小言を言われるし胃が痛むしで……(ムカムカ)」
芥川「(焦って)ま、まあまあ。今は胃の心配をなさる必要もないわけですから!」
夏目「うむ、そうだな! ……いかんいかん、今日は君の原稿を見るんだったな。話しが脱線してすまなかった。どれ……」
芥川「あっ、その前に僕も実は、ささやかながら先生にお祝いの品をお持ちしたのですが……(ゴソゴソ包みを出す)」
夏目「っ!!! こ、これは……全自動アイスクリーム製造機だと……!?」
芥川「夏目先生、確か生前から手動のアイスクリーム製造機を持ってらっしゃいましたよね。こちらは平成地区で売られている電動式のものだそうでして……新人編集くんお勧めの一品です!」
夏目「これでいつでもアイスクリームが好きなだけ食べられるということかね……! 早速動かしてみよう! 芥川くん!」
芥川「はい! 先生!!」
夏目「なになに……『使い方①本体のプラグをコンセントに差し、本体のスイッチを入れましょう』……“こんせんと”とは何のことだ?」
芥川「生前、各家庭に普及しはじめた電気器具だと聞いたことがあるような気はしますが……」
夏目「コンセントとやらがないと、これは動かせないのかね?」
芥川「そうですね……電気で動く機械のようですから、恐らく……」
夏目・芥川「…………………」
夏目「……これを勧めてくれたのは、天国出版の新人くんだと言ったかね?」
芥川「……はい」
夏目「~~しばらくあいつのところでは原稿は書かん! 君もあいつのところに持っていくつもりの原稿なら今日は見てやらん! 外に甘味を食いに行くぞッ!(ドスドス出て行く)」
芥川「ああっ! 待って下さい夏目先生、お供させて頂きますから……っ」
バタバタと出ていく二人―――
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日本で一番と言ってもいいほど有名な文豪、夏目漱石先生。
甘いものが超好きだったり、教師時代は学生に張り合ったり、門下生に振り回されたりと意外にお茶目なところがたくさんあります!
芥川氏を含め、たくさんのお弟子さんが先生の思い出を書き残していたりと、とにかく愛されてます(笑)
夏目先生、お誕生日おめでとうございます~!!!