「文豪シリーズ ~文豪の神様~」シナリオ公開(1)
こんにちは、スタッフMです。
ドラマCD「文豪シリーズ ~文豪の神様~」シナリオの一部を本日より順次公開します!
今回は第1話、『文豪、憧れの人』前篇です!
喫茶店で緊張しまくっている太宰 治。なんと今日は憧れの人、芥川龍之介との初対面の日で……
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喫茶店
緊張しまくりの太宰が人を待っている。
太宰 「……はー……約束の時間まであと十五分……くううっ、緊張するっ……! マスター、コーヒーもう一杯!」
マスター 「お客さん、これで十三杯目だよ。ちょっと飲み過ぎじゃないか?」
太宰 「僕だって飲みたくて飲んでるわけじゃない、喉が渇いて仕方ないんだ……! だって……だってあの、憧れの芥川龍之介先生と待ち合わせなんだぞっ! 出版社に頼み込んでようやく実現したこの機会、失礼があっちゃ死んでも死に切れない……!」
マスター 「天国で死にきれないも何も」
太宰 「それぐらいの覚悟で臨んでいるということだっ」
マスター 「だからって約束の三時間も前から待たなくてもねえ」
太宰 「芥川先生は大変真面目な方だそうだからな、これくらい当然だ。……ふふふ、きっと気に入っていただけるぞ。『君はどんなものを書いているのかね』とかいって僕の作品を読んでいただけちゃったりして。そんでもって『君はなかなか面白いものを書くね、特別に芥川賞をやろう』とか言われちゃったりしちゃったり……えへへへへへへへ」
妄想で笑っているところへカランとドアが開き、芥川が入ってきて
マスター 「いらっしゃい」
芥川 「ええと、こちらに――」
太宰 「(気づいて飛び上がり)芥川先生!!」
芥川 「あ、君が」
太宰 「はははははははじめまして太宰治と申します!! 生前『走れメロス』や『人間失格』などの作品を執筆いたしました作家の端くれで恥ずかしながら無頼派なんて呼ばれておりまして」
芥川 「(笑って)いいよ、そんなところから自己紹介しなくても。太宰君の名前は聞いてるよ」
太宰 「え」
芥川 「作品も読ませてもらっているし」
太宰 「(前のめりに)ほ、本当ですか……!?」
芥川 「(ちょっと引いて)あ、ああ。今日は会えて光栄だよ」
太宰 「あ、ありがとうございますっ……! 憧れの芥川先生にそんなお言葉をいただけるなんて、僕、もう死んでもいい……!(感涙)」
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既に芥川先生が引いてますが、太宰氏は妄想通りに芥川賞をもらえるのでしょうか!?
次回シナリオ公開は第1 話、『文豪、憧れの人』後篇です!
更新をお楽しみに♪