「文豪シリーズ ~文豪の神様~」シナリオ公開(5)
こんにちは、スタッフMです。
ドラマCD「文豪シリーズ ~文豪の神様~」シナリオ公開を更新しました!
今回は第3話、『文豪、グルメツアー』前篇です!
師匠の夏目先生に似て、甘党で下戸な芥川氏。
そんな彼の憩いのひと時に、トラブルを招く客が……?
*****************************************
□芥川宅・縁側
雀のさえずりが聞こえる中、
芥川 「(最中を食べ)……はー、やはり井村屋さんの最中はうまい」
ずずっとお茶をすすり、まったりと、
芥川 「天気のいい日に縁側でいただくお茶と和菓子。実に落ち着く。贅沢な時間だ……。どれ、もう一つ……」
最中に手を伸ばすと、庭から太宰が現れて、
太宰 「ああ、芥川先生! やはりご在宅でしたか!」
芥川 「太宰君!?」
太宰 「すみません。玄関先でお声をかけたのですが、お返事がなかったもので。不躾とは思いながらもお庭へ回らせていただきました」
芥川 「いや、構わないよ。家が広すぎるからね、来客の声が聞こえないのはよくあることなんだ。それより、今日はどうしたんだい?」
太宰 「はい! 実は、大変いいお酒とつまみが手に入ったので、芥川先生に是非味わって頂きたいと思い、参りました次第です!」
芥川 「……あー、お酒かー……。……すまない太宰君、気持ちはありがたいんだが、僕は下戸なんだ」
太宰 「えっ!? そうだったのですか!」
芥川 「だから、そのお酒は別の人と――」
遮るように志賀が庭から現れ、
志賀 「おー芥川君、ここにいたか!」
太宰 「げっ、志賀直哉……!」
芥川 「ああ、これはようこそ志賀さ――(志賀が担いでいるものに気づき)ひっ!?」
太宰 「志賀さん、あんた何担いできたんだ!?」
志賀、猪をドサッと地面に下ろし、
志賀 「イノシシだ。さっき裏山で捕ったんだ」
太宰 「自分で!?」
志賀 「もちろん! 太宰君もいたなら丁度いい、この新鮮な牡丹肉で、みんなで鍋でもしようじゃないか!」
芥川 「無理です早く持ち帰って下さいっ! ああ、庭に血の海が広がっていく……」
*****************************************
繊細な芥川氏に狩りたての生肉は刺激的すぎたようです……
芥川氏の平和なおやつタイムの行方やいかに!?
次回シナリオ公開は第3話、『文豪、グルメツアー』後篇です!
更新をお楽しみに♪