「文豪シリーズ」泉 鏡花氏誕生日記念イラスト&キャラクタートーク
こんばんは、スタッフMです。
昨日11月4日は、泉 鏡花氏の139回目のお誕生日でした!
吉本ルイス先生に記念イラストを描いて頂きました☆
吉本先生、ありがとうございます!
泉さんらしく、トレードマークのウサギグッズをプレゼントです♪
さらに、書き下ろし特別キャラクタートークをお届けします!
谷崎「よぉ泉、貴様、今日は誕生日だろう」
泉「(驚いて)そうなんだよ谷崎くん、覚えていてくれたんだ。相変わらず外見に似合わず、妙にマメだよねぇ」
谷崎「言い方に刺がないか!? まあいい、今日は祝いの品をいくつか持ってきた(ドサッと袋を置く)」
泉「わぁ、こんなにたくさん……わざわざありがとう~!(がさがさ中を探って)ウサギ柄の襟巻だ。これから寒い季節になるし、重宝するよ」
谷崎「泉と言えばウサギだろう。いくら好きでも、そこまでこだわる気が知れん」
泉「好きと言うか、験担ぎだね。幼い頃、母から『自分の干支から7つ後の干支のものを持つと運気が良くなる』と教えられてね。ほら、いつも持ち歩いてるこのステッキの柄にも、銀細工のウサギをつけているんだよ~。かわいいでしょう?」
谷崎「徹底してるよな……着物も、置物も、食器もウサギ、ウサギ、ウサギ……初めて泉の家に上がったときには驚いたもんだ。あと、お前の家と言えば、天井からぶら下げているあの大量のトウモロコシは何なんだ!?」
泉「あれは雷避けのおまじない……。家の中にいても、雷鳴を聞くとどこかに身を隠したくなるんだ、ああ恐ろしい……!」
谷崎「しなびたトウモロコシだらけの家の方が気味悪いだろ!」
泉「いっぱいあった方が、ご利益がありそうでしょ。 そんなことより、谷崎くんがくれた誕生日プレゼントの続き!(ガソゴソと袋を探って)……あ! この“超強力細菌滅殺スプレー”、新製品でしょう! 平成地区の広告に載っているのを見かけて、欲しかったんだ~! 嬉しいなあ」
谷崎「ふふん。新作でなければ、お前はすでに全部試していそうだからな。……にしても、天国じゃ細菌の心配なんていらないってのに、いつまで潔癖症引きずるつもりだ?」
泉「いいじゃない、こうしないと落ち着かないんだから。冬は火を通した食べ物が多くて助かるよ。湯豆府も美味しいし」
谷崎「ん? “豆腐”だろ?」
泉「(クワッ)ちょっとやめてよ谷崎くん! “腐”なんて汚ならしい字を食べ物に遣うなんて信じられない……! 私は“豆府”と呼ぶようにしてるんだよ」
谷崎「す、すまなかった……そんな目をひん剥かなくてもいいだろ……。お前、文字や言葉には特別敏感だもんな。他人が丸めて捨てた原稿用紙を拾ったり、畳の上に指で文字を書いたやつにキレたりしたとか聞いてるぜ」
泉「当然でしょう、言葉には言霊が宿るんだよ。神聖な文字を、人が踏む畳の上に書くなんて言 語 道 断(冷たい眼)」
谷崎「まあ、文字を書くことを生業にするものとして気持ちはわかるがな。それにしても泉は、外見はひょろっちいが気性が荒いところもあるよなぁ。朋輩に殴り掛かって泣かしたことがあると聞いたが、想像がつかん」
泉「あれは、徳田秋声くんが悪いんです。尾崎紅葉師匠のことを『食い過ぎで死んだ』なんて悪く言うから(更に冷たい眼)」
谷崎「芥川もそうだが、お前の師匠大好きっぷりも大概だよな。師匠が死んで随分経ってからも、遺言守って細君を正式に籍に入れてやらなかったんだろ」
泉「紅葉師匠からは、すずとのことは反対されてたからね……。隠れて交際していたのがばれたときも、『俺をとるのか女をとるのか』って迫られて……あれはこたえたなぁ。尊敬する師匠と愛する恋人、比べられるわけないもの……」
谷崎「さんざん人前でいちゃついておきながら、よく言うぜ」
泉「人前で、って?」
谷崎「お前ら夫婦が道端で追いかけっこしたり花摘んで互いの髪に飾ったりしてはしゃいでる姿がネット上で今話題になってるんだぞ! 写真まで撮られてるのに、気付いてなかったのか!? ちょっとは有名人だって自覚持てよ!」
泉「え~? みんなそんなにうらやましいなら、直接言ってくれればいいのに」
谷崎「違う! 良い年こいて何やってんだあいつらって笑われてんだよ!」
泉「失礼な! すずはいくつになってもきれいだし、私だってこうして、青年の姿で過ごしてるじゃない!」
谷崎「そういうことじゃねぇ! お前らみたいのを、現代じゃ“バカップル”って言うんだぞ。 “バカみたいなカップル”ってことだ」
泉「“バカみたいに仲のいいカップル”?」
谷崎「間違ってない……が、何か嬉しそうなのが腹立つ……!」
泉「いやぁ、照れるなあ。そこまで言うなら谷崎くんにだけ見せてあげるよ。(腕をまくって)こ・れ! 妻とのペアブレスレット~! お互いの名前が彫ってあるんだよ~。生前からしていたものなんだけど、これを見た人はみんな感激してくれて絶句しちゃうんだよね。ねえ、どう?谷崎くんもつくってみたら?」
谷崎「……だめだこいつ……」
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幻想文学の大家、泉 鏡花先生は相当なリア充でもあったようですね…!
やはり面白いエピソードには事欠きません!
ドラマCDではそんなエピソードを元に、新しい泉 鏡花像をお届けしていますので、ぜひお聴きください♪
泉先生、お誕生日、おめでとうございます~!