キャストコメントVol.1
――収録を終えての感想をお聞かせください。
シャーロック・ホームズ役・藤原啓治さん:ホームズにまつわる作品は子供の頃からほとんど全部読んでいたし、他の作品で何度か演じたことがあるキャラクターだったので、親しみやすかったです(笑)
ただ、作品によっていろいろなホームズ像がありますが、今回はCDのシナリオと黒乃奈々絵先生が描いて下さったイラストのイメージで演じました。
収録で大変だったのは、とにかくセリフが長くて、家で練習をした時から「あれ? 結構言えないな」と思ったくらい(笑) 推理をしている時は流暢にしゃべらなきゃいけないので、予想していたよりも難しかった。でも本番ではできてホッとしてます。
ジョン・H・ワトソン役・森川智之さん:ドラマCDで『シャーロック・ホームズ』をやるのは初めてのはずなのに、なぜかしっくりくるんですよね。ホームズとの掛け合いも(笑) ホームズ作品は小説から映画やドラマなどいろいろな形で世に出ていますが、今回は映像がなく、音声だけの勝負なので、やりがいがありました。
また今作は第1弾ということでお披露目の意味もあって、ホームズとワトソン、ホームズとルパンとの関係性や雰囲気を楽しみつつ、「今後、どう展開していくのかな?」とワクワクしながら演じました。
アルセーヌ・ルパン役・遊佐浩二さん:これほどストレートな会話劇のドラマCDにはなかなか巡り会えないですね。藤原さんと森川さんとがっつり60分、一緒にお芝居をやらせていただくのは楽しかったです。演じる時は「僕が演じるルパンはⅠ世なんだ」と言い聞かせて、フラットな状態で演じました(笑)
ホームズVS.ルパンの対決なんて、僕にしてみればグレートマジンガーVS.ゲッターロボぐらいの夢の組み合わせで、皆さんにもドキドキわくわくしながら聴いてほしいです。
藤原さん:『アルセーヌ・ルパン』シリーズ原作のモーリス・ブランが、小説の中で対決させたこともあったけど、それとは違った、ドラマCDならではの対決や掛け合いが見られるのも聴きどころですね。
――本作の中で印象的だったシーンを教えてください。
藤原さん:今作ではふざけたりせず、一貫して冷静さが目立ったホームズですが、ワトソンとの他愛もない、言い合いの中でイラついたり、ちょっとスネたりする部分が垣間見えるのがおもしろいなと。あと好敵手であるルパンとのやり取りでは心がざわつくシーンがあって、今後への期待感が高まります。
森川さん: 事件を推理するホームズと、必死についていこうとするワトソンの絡みは収録された全3編どれにも入っているので、そこはおすすめですね。そして事件とは別の、プロローグやエピローグなどで描かれる2人の日常の様子も楽しんでいただけたら、嬉しいです。
遊佐さん:僕もホームズとワトソンの普段の掛け合いや、程よい距離感が身近に感じられて印象的でした。
森川さん:よかった。あとワトソンが常に冷静なホームズをあわてさせるシーンもあるのでそこも注目してください。
遊佐さん:僕はルパンという役の特性上、兼ね役があって、頑張ってやってはいますが、ホームズから「たいした変装ではない」と言われた時にズキっと胸が痛んで(笑)
全員:(爆笑)
遊佐さん:その分を加味してあまり変えずに演じたほうがいいのか、個人的に悩みましたね。またルパンの視点で描かれたエピソードもあって。本編ではホームズ側中心だったので、ルパン中心のエピソードも、ぜひ楽しんで欲しいです。
――1日だけキャラクターになれるとしたら誰になりたいですか?
藤原さん:ルパンかな。世界中のお宝を華麗に盗みまくりたいです。
遊佐さん:でも女性に出し抜かれますよ。
藤原さん:あっちのルパンはね(笑) ホームズはずっと同じ場所にいるイメージがあって、ルパンは世界中、あっちこっち行っているイメージがあるので、行動範囲を広げたいという意味で、ルパンがいいです。
森川さん:僕はワトソン。医者ですからね。
遊佐さん:僕もそう思います。
藤原さん:安定志向なの?
全員:(爆笑)
遊佐さん:悪いことしないでも稼げるし。
森川さん:安定しているのも魅力的だけど、自分の健康に一番気遣えて、自分で薬を処方して欲しい薬を手に入れられそうだから。
遊佐さん:眠らなくてもいい薬とか(笑)
森川さん:ただワトソンはロンドン特有の、曇り空が多いグレイな世界にいるので、啓治さんのルパン案もいいなと、今、グラっと来てます(笑)
遊佐さん:そうなんです! 僕もずっと霧がかったところにいるのはちょっと。カラっと晴れたところに行きたいからやっぱりルパンなのかな。
――発売を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
遊佐さん:1枚まるまるルパンとして、藤原さんと森川さんとがっつりやらせていただいて楽しかったです。自分なりのルパンを演じましたので、皆さんにも楽しんでいただければうれしいです。そして次巻こそルパンが……と期待してます。
森川さん:いろいろな形で作品になっている『シャーロック・ホームズ』ですが、このドラマCDならではのホームズ、ワトソン、ルパンになったかなと思います。本作はまだ序章なので、これからが本番! ホームズ&ワトソンにたくさんの難事件を解決してほしいし、聴いていきたいと僕自身も思っています。次巻が出るように皆さん、買って聴いてくださいね。
藤原さん:遊佐君も言ってましたが、これほど会話しまくるドラマCDは珍しいですね。収録後、疲れていた理由はそこにあるかも(笑) 原作シリーズの「花婿失踪事件」をベースにしたお話やルパン目線のお話、イラストを描いてくださった黒乃さん原案のお話など、原作をしっかり読んだことがない人やシャーロキアンの皆さんにも楽しんでいただける1枚になったと思います。末永いシリーズになることを僕らも期待してますので、まずはこの1枚を聴いてください。
――藤原さん、森川さん、遊佐さん、ありがとうございました。
キャストコメントVol.2
――本編「仮採用の給仕」と、レストランを舞台にした番外編のドラマの収録を終えての感想を、これは印象的だったシーンとあわせてお聞かせください。
遊佐浩二さん(アルセーヌ・ルパン役/以下、遊佐):1巻目に引き続き、藤原さんと森川さんが膨大な量のセリフをしゃべっているので、僕は「大変そうだなぁ」と思ってその様子を拝見していました。僕個人としては、うまく化けられたのですごくよかったです(笑)。詳しくは言えませんが、ドラマCDを聞いていただければ「化ける」という言葉の意味がわかると思います。番外編の方はレストランでのお話でしたが、あの怪盗紳士たるルパンがレストランで庶民の味を口にしていたので、彼もそういうところに出入りするんだということが意外でした(笑)。まぁブルジョアな暮らしをしているのかも謎ですからね。あと、小銭を扱うところも意外でした。
森川智之さん(ジョン・H・ワトソン役/以下、森川):確かに! 自分でお金払ってたもんね?
遊佐:そりゃそうですよ! 別に食い逃げしたわけじゃないですからね(笑)。
森川:スタッフさんから『シャーロック・ホームズ』シリーズがみなさんに大変好評だったと伺いまして、その言葉にいい意味で乗せられながら収録させていただきました(笑)。印象的だったシーンではないのですが、今回はホームズの事務所に謎の手紙が届き、それに翻弄されながらホームズとワトソン、ルパンがそれぞれたどりついたものとは? という、全体的にちょっと涙ありの感動的なストーリーになっています。1巻目とはまた違ったテイストで楽しめると思いますよ。コミカルもシリアスも、どちらの要素も入っているのが今回ですので、すごく聞きごたえがあると思います。
藤原啓治さん(シャーロック・ホームズ役/以下、藤原):前回に引き続き、セリフも多くてなかなか大変ではありましたが、森川くんの言うようにストーリーは涙あり笑いあり、例えて言うなら寅さんシリーズのように人情味にあふれたお話です。そこにプラスして「豚の足、2本あり」みたいなね(笑)。序盤から出てくるのですが、それがストーリーにどう絡んでくるのか? 非常におもしろい伏線の張り方だなと思いました。また、ホームズとワトソンの会話が、冷静そうに見えて時々崩れる瞬間があって、それがかなりおもしろかったです。
――お互いをホームズ、ワトソン、ルパンというキャラクターにあてはめるとしたら、誰がどのキャラクタータイプだと思いますか?
遊佐:ドラマCDをやった後なので、お互いに役の印象しかないんですよね(笑)。
森川:確かに収録直後だからね。僕もそう思った。
遊佐:だって、僕にはこのお2人はホームズとワトソンにしか見えないですもん。CDのキャストトークに入るときに、原稿を見失った藤原さんはホームズっぽいなと思いましたし、それをフォローする森川さんはまさにワトソンでしたから(笑)。
藤原:遊佐くんもワトソンな感じがするけど、大体の人はみんなワトソンタイプなんじゃない?
遊佐:藤原さん以外はみなさんワトソンタイプでいけると思いますよ(笑)。
藤原:いやいや。僕もワトソンタイプだよ。
遊佐:え?
森川:え??
藤原:僕は、日常ではホームズをやらないといけない感じがするからあえてそうしてるだけで、本当はワトソンっぽいところもあるんだよ!
一同:(笑)
――藤原さんから見て、森川さんもワトソンっぽい気がしますか?
藤原:いや、森川くんはホームズっぽいかな……。
森川:いやいやいや。僕はワトソンでいたいです。ワトソンでいさせてください。
遊佐:(笑)。社長はお2人ともホームズタイプじゃないですか?
森川:いやいや全然違うよ!
遊佐:誰か周りでフォローしてくれてる人がいるんじゃないですか?
森川:フォローしてくれる人もいるけど、社長だからこそ周りにいろいろと気を遣ってるんだよ。繊細じゃないとできない職業だもん。
藤原:そうそう。
森川:で、話は戻りますけど、僕からすると藤原さんは……。
遊佐:どうもホームズっぽい匂いがしますよね?
森川:ぷんぷんするね(笑)。
――どの辺りがホームズっぽいなと感じますか?
森川:もうすべてですよ(笑)。ホームズそのものという感じです。スタジオのなかで、自分の周囲が雑然としていながらも、そのスタイルがきちんと決まっているところなんていかにもホームズですよ。
遊佐:キャストトーク用の原稿を見失ったようでいて、本番が始まるときちんと仕切ってくれる。その頭脳明晰さがホームズだなと思います。何だか僕らは踊らされたのかな? って思いましたからね。
森川:だから僕たちはこのままの関係性がずっと続いて行くのかなと思いました、ホームズとワトソンみたいにね。遊佐はルパンだね!
遊佐:僕、どこにもルパンらしい要素ないんですけど(苦笑)。
森川:一緒に収録したときは、毎回僕は何かを盗まれています(笑)。
遊佐:(笑)。何かは分からないんですね?
森川:うん。何かは分からないけど、遊佐と収録したあとは、僕は喪失感がすごいあるよ。
遊佐:何か分からないっていうのは、もう加齢で忘れてるんじゃないですか?
森川:(笑)。
――遊佐さんはこれまでのお話を聞かれてみていかがですか?
遊佐:お2人はホームズタイプだと思いますよ。役の印象は強いですが、僕の見えないところでホームズっぽいところを見せているんじゃないかなと思います。AIR AGENCYとアクセルワンには、それぞれ優秀なワトソンがいると思いますよ(笑)。だって社長室が見てみたいですよ、ホームズのようにいろいろと積んであるんだろうなって思いますから。
森川:うん。確かにいろいろと積んでる。
藤原:僕のところは社長室がない!
森川:え? そうなの? うちは、社長室はあるけど経理さんがずっといるからね。
遊佐:じゃあ森川さんにとってのワトソンは経理さんですね。
藤原:事務所にいると、経理の人が一番偉い気がするもん。
遊佐:藤原さんのところは経理さんがワトソンというより、ハドソン夫人なわけですね?
藤原:そういうことになるね(笑)。ものすごくしっかりした、優秀な経理さんです!
――ありがとうございました。では最後に、ドラマCDの発売を待つファンヘのメッセージをお願いいたします。
藤原:キャラクターたちの関係性もおもしろい話なんですが、「推理する」という点でもきちんと聞いておかないと内容が分からなくなる、という箇所が結構あります。僕自身、台本を読んでいたときに「あ、これはこうなって……あぁ、なるほど!」という部分がかなりありました。ですので、何か他のことをしながら聞くのではなく、CDに集中して聞いてほしいです。むしろ、それだけ集中して聞けるお話になっています。
森川:また今回はじめて知った、という方もよろしければ1巻目も聞いていただいて、続けて楽しんでほしいなと思います。
遊佐:サブタイトルが「仮採用の給仕」なのですが、ドラマCD内のタイトルコールでは僕だけ「給仕」を「ペイジ」と言っています。決して読み間違えているわけではないです。パッケージにも書いてあると思いますが、沽券に関わるため、念のためここでもお伝えしておきます(笑)。